メリディアン・インスティテュート/霊―精神―肉体の結びつきに関する調査
VOL.3 No.1 1999年1月1日 メリディアン・インスティテュート・ニュース
酸/アルカリのバランス
エドガー・ケイシーは、体内で適切な酸性/アルカリ性を維持することの重要性を一貫して強調しました。一般的には「ペーハー」(水素の潜在性)と言い表されていますが、酸性/アルカリ性の連続体は0~14で、7がその中立となります。その計測による下層の端の部分(7よりも下)が酸性で、7以上がアルカリ性 です。一般的に言って、少々アルカリ性に傾いたバランスのとれたペーハーは、ほとんどの人にとって有益である、とケイシー・リーディングは主張していま す。
アルカリ性は、少量の肉と甘いものを摂取し、また多量の野菜と果物を摂取する ことで増加させることが出来ます。アルカリ性を増やすために果物を食べることは矛盾のように聞こえるかもしれません。何故ならいくつのか果物(特にカンキツ系)は身体の外では酸性だからですが、実際には消化器はその酸性の成分を使い尽くし、アルカリ性の残留物(灰)を残します。ゆえにその最終的な効果は、 組織の中でアルカリ性を作り出すのです。ほとんどの人に対して、ケイシーは「普通の食事は約20%の酸性と80%のアルカリ性を作り出すものであるべきである」と言及しました。
ケイシーによると、ネガティブな感情の状態、食べ物の不十分な咀嚼、そして不完全な排泄を含めるさまざまな要因が酸性を増加させると言っています。おそらくケイシーによって言及された(酸性を増加させる)最も一般的な要因は食餌でしょう。酸性を生じさせる食べ物、あるいは不適切な食べ物を組み合わせること(たとえアルカリ性を生じさせる食べ物であったとしても)は、酸過多を、また場合によっては「極度の酸性」を引き起こすと言われてい ます。
ケイシーは時々、伝染性の媒体(例えばウィルスやバクテリアのような)はアルカリ性の環境では繁栄しないと述べました。「風邪はアルカリ性の状態では存在することが出来ない、あるいは存在しない」と。ゆえに、アルカリ性を生じさせる食べ物(例えばオレンジ・ジュース、あるいはレモン・ジュース)が風邪を予防するために勧められました。
アルカリ性の抗菌性の影響力は、抗菌性のハーブとしてよく知られているヒドラスチス(注:米国原産;キンポウゲ科)に関する調査によって確認されています。ヒドラスチス内部でもっとも活発な抗菌性のアルカロイド(注:植 物塩基:ニコチン、モルヒネ、コケインなど)であるベルベリン硫酸塩(エステル)(注:ベルベリンとは黄色の針状晶;健胃剤・強壮剤)は、酸性の環境よりもアルカリ性の状態でより活発となります。 8.0のペーハー(アルカリ性)の状態では、生体外の環境におけるその抗菌性の活動は、中立の状態の時より約2~4倍も大きくなります。 6.0のペーハーの酸性の状態では、その抗菌性の活動は、中立のペーハーの状態の時よりもたった1/4だけ大きくなるだけなのです。
酸性/アルカリ性のバランスは通常の生理機能では非常に重要です。例えば、血液は7.35~7.45の少々アルカリ性の範囲を維持します。何らかの理由で偏ってしまったペーハーのアンバランスを、身体はうまく取り扱うことが出来ま せん。ペーハーの要素の管理はとても重要なため、身体は全ての細胞、そして組織の中で酸性―アルカリ性のバランスを監視するために、厳格な手続きを発達させてきました。身体のそのような基本的な統御システム(呼吸、循環、排泄等を含む)はペーハーのバランスに影響を与るのです。
酸性/アルカリ性のバランスは複雑で、議論を巻き起こす事柄です。この事柄に対するさまざまな見解は、ペーハーが病気の重要な要因となるなどということはほとんど全く信じることが出来ないというものから、「アルカリ化にするか、さもなくば死を招くか Alkalize or Die」という本によって示されている通り、両極端の意見があります。中立、あるいは少しばかりアルカリ性に偏ったペーハーは良いということを認めている 専門家ですら、体液に関してもこのことが当てはまることには同意していません。例えば、何人かの調査員は少々酸性に傾いている尿のペーハーは普通(健康)である、何故ならそれは代謝の自然の産物である酸を身体が排出しているからであると見なしています。他の専門家は尿は中立か、あるいは少々アルカリ性に近 い状態であるべきであると述べています。ガブリエル・コウセンス医師は、ペーハーの範囲で6.3~7.2は「健康」であると述べることで、比較的中庸な立場をとっています。
エドガー・ケイシーは、酸性/アルカリ性のバランスは簡単にチェックすることができると主張しました。生理機能のこの極めて重要な面を監視する客観的な方法として、数多くのリーディングが、唾液と尿のペーハーのバランス測定を勧めています。
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最近行われた調査のための会議は、ケイシーの提案を応用し、その結果を測定するた めの素晴らしい機会が与えてくれました。その会議の参加者は、関節炎に悩んでいる7人の人たち、高血圧の症状を持った3人の人たち、糖尿病の男性1人、そして5人の支援者の人たちを含んでいました。私たちはこれらの人たちに、会議が行われる8日間の間尿のサンプルを提供してくれるよう頼みました。ペーハーを測定するために、私たちはトータルで472のサンプルを集めました。私たちは尿のペーハーを測定するために、単純なデジタル式計測器を用いました。唾液 は検査しないことに決めました。というのもその計測器で計るには非常に大量のサンプルの量が必要となるため、大人数のグループの人達に関しては尿を使うほうがより実地的になるからです。
その会議が進むにつれて、全体として、そのグループの人たちにある傾向が認められました。それは中立(7.0)あるいはそれ以上(アルカリ性)に達した尿のサンプルの総数に関して、通常よりもアルカリ性 の高いレベルが発生しているということでした。また、7.0かそれ以上に達した尿を持つ人のパーセンテージが、会議の間増加しました。
そのグループの人の人たちが、測定が行われた全8日間のためにペーハーのデータを提供しました。各個人に対して、私たちは最初の4日間で採取された平均的な ペーハーを、その次の4日間で採取された平均的なペーハーとを比較しました。参加者の全員がよりアルカリ性のペーハーを示し、ある何人かの人たちは他の人 たちよりも抜きんでて優れた結果を見せました。最初の4日間の全体的な平均は、6.13のペーハーでした。その次の4日間の全体的な平均は6.54のペーハーでした。t検定(注:標準偏差が未知のときに、正規母集団の平均値に関して行われる)は、これは統計的には.01のレベルよりも優れた有位性であり、 非常に優れた結果であるということを示しました。ゆえに私たちはケイシー・ダイエットに従うことは、より多くのアルカリ性システム(より上層のペーハーはよりアルカリ性であることを示し、より下層のペーハーはより酸性であるということを示す)を生産すると結論づけることが出来ます。
会議の間に提供された食事は、大量のアルカリ性を作り出す食べ物(果物、そして野菜)でした。しかしながら、参加者は穀物や肉のように酸性を作り出す食べ物を食べることを選択することも出来ました。同様に、酸性対アルカリ性を作り出す食べ物の量に関する選択は、各個人に任されました。ゆえに、これらの人達の 選択如何で、食餌がペーハーのバランスが取れているかどうかという段階にまで影響を与えることが出来ました。 80%のアルカリ性を作り出す食べ物は、たとえ最高の状況下においても、1種の挑戦であると言えるでしょう。
データの観点から見ると、11月17日は特に特筆すべき日になりました。その前日にあるレクチャーが行われ、その中でほとんどアルカリ性の食べ物を食べることが重要であるということが強調されました。参加者はケイシー・リーディングからのさまざまな提案の1つをテストしてみるよう要請されました。ケイシーはカンキツ類を食べることは身体に強烈なアルカリ性を作り出す効果があると述べました。参加者のほとんどは11月17日の朝食はカンキツ類だけを摂ることに同意しました。劇的に、参加者の全員の尿はその日7.0あるいはそれ以上に達しました。従って、カンキツ類には強烈なアルカリ性効果があるとするケイシーの主張は正しかったように思われます。
私たちはまだ、アルカリ性に偏った酸性/アルカリ性のバランスを維持することの長期にわたる健康上の効果は一体何か、ということを確定できる段階には至っていません。例えば関節炎のような状態においては、高い組織系の酸性度が認められるとケイシーによって一貫して述べられました。多分、ペーハーのバランスを保つこと(それはほとんどの人にとってアルカリ性を増加させることを意味する)は治療上の効果を持つことを意味することになるでしょう。会議の参加者の何人かは、その人たちの状態に対してケイシー流のアプローチを用いることで功を奏すかどうか、次の6ヶ月の間尿のペーハーを監視することを申し出てくれました。これを行うことで、癒しのプロセスにおけるペーハーの役割に関する何らかの有益なデータを提供してくれることが出来るかもしれません。私たちはとても協力的なこれらの親切な人たちに私たちの感謝の気持ちを述べたいと思います。私たちが最後にグループの写真撮影のために集まったとき、酸性/アルカリ性のバランスを保つための宣誓が表されました。私たちは皆白いスタイロフォーム(注: 発砲ポリスチレン)のカップを手に持っていたのです。
参考文献
1. ピゾールノ (1996) 『完全な幸福 Total Wellness』
ロックリン、カリフォルニア:プリマ・パブリッシング
2. バルーティ、T.『アルカリ化にするか、さもなくば死を招くか Alkalize or Die』
ウェインズビル、ノースカロライナ:エレクトリック・プレス
3. クイズィンズ、G.(1992) 『意識的な食べ方 Conscious Eating』
サンタ・ロス、カリフォルニア:ビジョン・ブックス・インターナショナル
ケーシーは音で病気を治せると言い遺している。