新月には願いを。
満月には感謝を。
これくらいは誰でもご存知だろう。
では、あなたは今日の月齢を知っているだろうか。
昨日の月は上弦であった(満月に向かう時、太陽と月の角度がちょうど90度になる時の半月。弓に見立てた場合に弦にあたる部分が上を向く場合を言う)。この時期には、新月の時の計画や願いに葛藤が起きてモヤモヤしたり迷ったり悩んだりすることがある。
月のことに興味がないあなたも、今、国会で起こった出来事や有名人の騒動については知っているはずだ。誰がどこへ行っただとか、それについての賛否、料亭で食中毒が起きたというニュースをFacebookに投稿して立派なことをした気分になっているかもしれない。
しかし、マスコミが伝えるニュースのほとんどは、実際のところあなたの人生には何の関係もない。知っておかなければならない大切なニュースは、すべて身近なところで起きている。自宅の庭、近所、そしてあなたの心の中で起きている。
本当に賢明な人は、ニュースのことなんか気にしていない。本当に大切なことはニュースではなく自然が教えてくれることを知っているからだ。地球上に存在するすべての植物、木、森、すべての鳥、すべての星が、不滅の喜びと生命の鼓動を世界に向けて発信している。
ニュースを見ていると、物質的な生活だけが大切のような気がしてくるが、本当の人生は、宇宙からの通信、神聖なる囁きと一体になったときに創造されるのだ。本当に自分のためになることをしたいのなら、自然界から発信されるリズムと叡智に注目しなければならない。
電車に乗ると、ほとんどの人は下を向いている。寝る前もスマホという小さな世界に身を埋めてはいないだろうか。過激な情報の洪水、偽物のニュース、インターネットに溢れるゴミのような情報ばかりを追いかけていると、すぐそばで起きている、自分にとって本当に大切なニュースを見逃してしまう。
本物のニュースは、今この瞬間、すぐそこで起きている。星、植物、満ちていく月の細い輝き(月の満ち欠けは、潮の満ち引きからシオマネキの行動、人間の睡眠、女性の月経や出産にまで影響を与える)といった大切なメッセージを無視していると、大きなエネルギーの力をみすみす逃してしまう。
人間は、自然界とのつながりが断たれると、実際に体の調子が悪くなる。自分と本当に深く関わりのあるものを無視して、どうでもいい情報ばかり必死になって追いかけていると、ストレス、うつ状態、不安の原因にもなる。
世界一の天才と呼ばれるアルバート・アインシュタインもまた、自然界のエネルギーとのつながりを大切にしていた。マレーシアの熱帯雨林に暮らす先住民のセノイ族は、自然のエネルギーや感情を正確に読み取る能力があるため、恐怖や不安といった感情が全くないらしい。
一切の情報が悪だと言っているわけではない。偏見を捨て、知っているつもりになっていることを手放し、月や太陽を感じる心のゆとりを持ち、鳥や動物の声に耳を傾けて自然と一体になれば、今抱えている問題は解決の方向に導かれるに違いない。