革命か崩壊か──気候変動この15カ月が正念場

 

 化石燃料を捨てて地球上の集団としての人間の生活を劇的に変えるか、さもなくば、より可能性が高い展開として、気候変動が世界的な化石燃料資本主義文明に終わりをもたらすか。

 革命か崩壊か──。いずれにしても、われわれが慣れ親しんだ良き生活は、もはや続かないだろう(文筆家ロイ・スクラントン/MITテクノロジーレビュー誌)

 

気候変動この 15 カ月が正念場

 国連の気候変動に関する政府間パネル( IPCC )は昨年 10 月、世界の気温上昇を摂氏 1.5 度に抑えるパリ協定の目標を達成するには、遅くとも来年には排出量が減少し始める必要があると警告した。現状の温暖化ガス排出量が続けば、気温は 3 度以上上昇する計算だ。

 チリで 12 月に行われる国連気候変動枠組み条約第 25 回締約国会議( COP25 )に向けて機運を高めようと、ポルトガル出身のグテレス事務総長は各国首脳に対し、排出ガスの削減失敗は「自殺行為だ」と訴えている。

 パリ協定以降、最大の節目となる締約国会議が英国で開催される 2020 年後半には、少なくとも理論上は世界の温室効果ガスの排出量を 10 年間で半減させる計画が実施段階に入っているはずだ。

 われわれの研究は、気温上昇を 1.5 度以内に抑えることを目指すなら、今後燃やせる化石燃料の量は IPCC の示唆よりも最大 4 割程度少ないことを示している(米国の気候変動学者マイケル・マン/ペンシルバニア州立大地球システム科学センター所長)

 マン氏は各国政府に対し、米国が第 2 次世界大戦中に戦時生産体制を敷いたのと同レベルの緊急性で、再生可能エネルギーへの移行に取り組むよう促している。だがこれまでのところ、それに応じた主要経済国は一つもない。

 気候の安定には地球上の全ての生命が依存しているが、それを巡る国際協力の見通しの暗さを受けて、慣れ親しんだ世界の「崩壊」に備え始めた人たちもいる。

 

地球温暖化、目標達成に残された道はギャンブル

 今後の地球温暖化状況をシミュレーションしたところ、地球温暖化を「安全なレベル」にまで抑えることは非常に難しいという結果(Nature Climate Change誌掲載論文)。

 この研究では「二酸化炭素排出量削減のため使用できる資金は世界の年間GDPの 3 %未満であること」といった現実的な条件を設定しシミュレーションを行った結果、2030 年までに気温上昇を 2 ℃未満に抑えることは非常に難しく、また気温上昇を 1.5 ℃未満に抑える方法はないということも分かった。

 別の報告書でも、気温上昇を 1.5 ℃未満に収めるには空気中から直接二酸化炭素を回収するといった「大規模な工学的炭素除去」を行うしかないとの結論。しかし、これらの技術は実績がなく、成功するかどうか分からない。「ギャンブル」だという(National Geographic)。

 

地球崩壊待ったなしの今、日本に革命家あらわれる

 地球の環境気候保護のために、ドイツ役所前で段ボールを持って立った勇気ある青年がいる。ドイツの自社と自身のドイツ生活を切り捨て、祖国日本のために 47 都道府県を回る勇気ある青年、谷口貴久である。先般、国連緊急気候変動サミットに出席し熱弁をふるったスウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)のような存在。彼の活動は、わたくしの活動趣旨と重なり非常に感銘・共鳴する。2 カ月後に来鳥、当方ご来訪。ぜひ、みなさんにも彼のお話を聴いていただきたい(地球を守ろう!日本では報道されない地球の危機を知る講演会)。

 

 

Radha Chihiro
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